羞中恥療室 前編
あらすじ
水野総合病院は、院長の水野忠彦が経営する総合病院である。その外科診療室で、看護婦の藤野紫織が患者の腕の傷を消毒している。たちの悪い患者は、紫織の尻を触り、いやらしいことを口走っていた。ついたての反対側で、その様子を聞いていた外科医の影元仁は、患者が帰ると、紫織に「触られてうれしかったんだろうが、この好きもんが」と、悪態をつき紫織を後から…。影元はある日、院長から杉浦誠の紹介を受ける。杉浦誠は30歳そこそこの内科医で、T大出の秀才であり、超二枚目。早速、看護婦達は舞い上がる。院長の後釜を狙う影元は面白くない。「こいつはやばいぞ、あの事件のことがある限り、院長の後釜は俺に決まっているが…。できれば院長の長女で外科医の潮音、次女で看護婦の七海、三女で准看護婦の珊瑚のいずれかを早く自分のモノにしてしまう必要がある」と感じるのであった。一方、挨拶を終え、内科診療室に戻った杉浦は、院長が自分の追い続けた復讐の相手であることを知り愕然としていた。顔はほとんど忘れかけていたが、彼の手にあった傷こそが、忘れもしない杉浦の姉を医療ミスで死なせ、知らん振りを決め込んだ悪徳医師に違いなかった。杉浦は、病院乗っ取りの復讐を誓うのであった…。
総評
総合病院を丸ごと舞台にした、前後編構成のバニラ作品です。看護婦と医師、そして院長の椅子をめぐる思惑。人間関係の力学がそのまま緊張感になっており、白衣の下に別の顔が透けて見える空気が全編を覆っています。
絵は2004年のセル画期らしい硬質な塗りで、影の境界がくっきりと出ます。水色の髪を後ろで束ねた看護婦、ピンクと白の制服、そして深紅一色の背景に白抜きで縦組みされた題字。淡い色でまとめた病棟の壁とパッケージの赤の対比が、そのまま作品のトーンを予告しています。
サンプルは診療室と病室が中心で、カーテンやベッドといった小道具の使い方にも手が入っています。前編にあたる本作から後編へ進む流れになるので、まずは導入のこの1本から。作画の質感をサンプルで確かめてみてください。











































