オトメドリ 上巻 「純潔の輪舞曲」
あらすじ
沖野和樹は、平凡な学生である。やや騒々しい日常ではあるが、ささやかな幸せがそこにあった。二人の女性の存在がそうさせているのである。妹の凛花。いたずら好きで困らせるようなことをするが、和樹を慕ってくれている。そしてもう一人は幼なじみの桜木乙女である。一つ年上でなにかと世話を焼いてくれる。美人でスタイルが良く学園内では男子の憧れの的である。乙女の世話焼きは和樹の生活の一部として浸透していた。妹が指摘するまでもなく、新婚カップルのようにしか見えない。二人は相思相愛の状態であるが、どちらかが告白したことはなく恋人同士として付き合ってはいない。幼なじみから一歩踏み出した関係にはなってないが、和樹にはこのままいけば恋人として付き合い、やがて結婚するだろうという思いがあった。自分の向こう側にある幸せがこちらにやってくるのを待っていればいいと思っているのであった。だが、そんな淡い幸せは、和樹の元に届けられた一枚のDVDによって打ち砕かれていくのであった…。
総評
学園ものの甘い空気から一転する落差を、色で見せる一本です。表紙は桜色の長い髪に赤いヘアバンド、白いブラウスと赤いプリーツスカートという清潔な取り合わせで、その手首だけが同じ赤のリボンで結ばれています。裏面には「淡い幸せは一人黒い絶望へ」の一文が縦に置かれます。
作画はピンクと白でほぼ統一され、影も紫寄りの淡い色です。そこへ日焼けした無骨な手や暗い室内が差し込まれ、色数の少ない画面の中で肌の白さだけが際立ちます。青い瞳の見開き方、眉の角度、汗の粒の置き方で、同じ顔が場面ごとに別人のように描き分けられています。
原作はコミック「オトメドリ」(夏庵)、製作はメリー・ジェーン。上巻「純潔の輪舞曲」は、幼なじみと妹のいる日常を置く導入編にあたります。色の落差がどこまで振れるかはサンプルで確かめてみてください。

































